45th SINGLE
相思相愛
- 発売日2024/05/08
大切な人を想えば想うほどに募る切ない感情。どれだけ願ったとしても重なり得ないところがあるからこそ、より深く、強く相手に惹かれていく。aikoから届いた新曲「相思相愛」は、痛いほどに真っ直ぐな尊い愛情が注がれた1曲だ。
「自宅の廊下を歩いているときにサビのメロディと歌詞がふと浮かんで。そこから、そのサビに込められた気持ちを掬い取りながら1曲にしていきました。Bメロには“もう何もかも海の中 粉々になった言葉も指も全部”というフレーズがあるので、もしかすると失恋の曲と思う人もいるかもしれないですよね。でも、私としては好きな人に対して抱いてしまう、一生追いつけない片想いのような気持ちをイメージして書いていったんです。どんなに好きな人であっても、すべてがパズルのように重なり合うことはない。そんなちっちゃくずれているところさえも気になってしまうくらい、あなたのことが愛おしいという感情を、“あたしはあなたにはなれない”の言葉に込めた気がします」
「最初は、ふっと歌って、ふっといなくなるような曲にしようと思ったんです」と言うように、aikoは元々、スロウなバラードとしてデモを作ったという。そこにトオミヨウがアレンジによるマジックをかけたことで、楽曲が放つ凛とした光はより輝度を増した。
「メロディや曲の構成がすごくストレートなので、いろんなアレンジの可能性があったと思うんです。だからトオミさんはいつも以上にいろいろ考えてくださったみたいで。結果、テンポを少し上げた、デモとは違う角度の本当に素敵なアレンジをしてくださったんですよね。夜中に好きな人のこと想っているような、どちらかというと内向的なイメージを持っていたデモから、少し前向きさを感じさせてくれる仕上がりになったのが私としてもすごく嬉しくて。自分の気持ちや考え方を切り替えるだけで、日常の景色がすごく変わって見えてくる。そんなことをトオミさんのアレンジに教えてもらえた気がしました」
大切な相手への想いを注ぎながら静かに、だがしっかりと前を向いた歌声を響かせていくaiko。丁寧に自らの感情に寄り添いながら、ラスサビでグッと熱量を高めるボーカルは聴き手の胸を強く打つことだろう。
「普段だったらロングトーンにするところも、今回はあえて使わない歌い方をしてみました。“あなたにはなれない”の“なれない”をちょっと短めに歌ってみたりとか。レコーディングしながらいろいろ試したんですけど、そういう歌い方をしたほうが心の中で思っている台詞みたいになる気がしたんです。心の中の気持ちが思わず漏れてしまったような最初の歌い出しが、最後のサビでは自分の意思で言葉になったという流れもなんとなくイメージしていました。自分でしかわからないことかもしれないけど、今までとはまたちょっと違う歌い方ができてよかったなって思います。これからも歌の勉強は続くなって感じですね(笑)」
この「相思相愛」が主題歌となっている劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」は、公開からわずか22日で観客動員数732万人、興行収入100億円を突破する大ヒットを記録中。デビュー26年目を駆け抜けているaikoが「相思相愛」に込めた想いは、これまで以上にたくさんの人の元に届いていくことになるのだろう。
「聴けば聴くほどに、自分自身も大好きな曲になっています。これまでのファンの方はもちろん、コナンくんの映画をきっかけにaikoの曲と初めて出会った方にもこの『相思相愛』が届いたら嬉しいですね。そんなことを毎日、願いながらお風呂に入ってます(笑)」
シングルの2曲目には、サビでスカ風味のホーンが踊る、ライブでの活躍が約束されたアップテンポな1曲「まさか夢」を収録。アレンジは川嶋可能が手がけた。
「前回のツアーを川嶋さんが見に来てくださっていたこともあって、久しぶりにアレンジをお願いしました。この曲のテンポ感的にも川嶋さんが絶対マッチするだろうなと思っていたんですけど、まさにその通りの仕上がりにしていただけたのが嬉しかったです。元々はAメロ、Bメロ、サビの構成だったんですけど、アレンジに触発されて急遽、大サビを付け加えたりもしたんですよ。曲ができた時期から時間が経っていたので、ちょっと毛色の違う大サビになったのが自分としては歌っていてすごく気持ちいいですね。リズム録りのときにドラムの神谷(洵平)さんが『ライブでやるのが楽しみです!』と言ってくれましたけど、私もすごく楽しみ! ちなみにタイトルは“正夢”と“逆夢”が合わさって『まさかの夢』です」
もう1曲は、トオミヨウによるアレンジの「あなたは優しい」。バンドサウンドと電子音が寄り添うムードのあるサウンドの上で、ゆったりと揺れるaikoのキュートな歌声に注目だ。
「この曲を録った時期は花粉がキツくて、レコーディングではけっこう苦労したんです。でも、マスタリングしたものを聴いたら、自分でもちょっと瑞々しさを感じるというか、ちょっと“コケティッシュ?”な歌声になっていて(笑)。トオミさんのアレンジに引っ張ってもらえたところもあったし、花粉のこともあったので、眉間から声を抜くようなニュアンスで歌ったのがよかったのかもしれないです。バックで鳴ってる音の違いもあるとは思うんですけど、『まさかの夢』の方が声を張って歌ってるのに、『あなたは優しい』のボーカルの方が前に居るように聴こえるのもおもしろいですね。トオミさんが長めのアウトロを用意してくださったので、最初は違うメロの歌を乗せるアタックをしてみようかなとも思ったんです。でもあんまり暑苦しくなるのもイヤだったので、気持ちよくフェイクを入れることにしました。歌詞に一カ所だけ出てくる英語の“eyes”は、“目と目が合うこと”と“合図”の意味を込めています」
最新のaikoの姿が刻まれた45枚目のニューシングル。初回限定仕様盤には、昨年開催されたツアー「Love Like Pop vol.23」やクリスマスライブ「2023 X’mas Live ~すべての夜 director’s cut~」などの映像も収録したBlu-ray/DVDが付属され、aikoの魅力にたっぷりと浸れる充実の内容となっている。ライブ写真満載のブックレットは、ぜひ細部まで目を凝らして眺めて欲しい。
取材・文=もりひでゆき
- [初回限定仕様盤A(CD+LIVE Blu-ray)]
- [初回限定仕様盤B(CD+DVD)]
- [通常仕様盤]
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収録曲
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Blu-ray/DVD 収録内容 aiko Live Tour「Love Like Pop vol.23」@2023.9.27.wed NHKホール
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